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 落ちてきた天使(仮) 1-5

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by からから@管理人

第一回:拾われた天使

道路脇のごみ捨て場。

そこで、俺は妙なものと出会った。天使だった。

天使はペットとして、人気がある。特に金持ちに。

もっとも高いものは漆黒の瞳と髪を持った、白い肌の天使だ。

しかし、俺の拾った天使は雑種。

大方どこかの道楽が買ったものの、世話に困って捨てたのだろう。

人間の姿かたちをしているだけに、放ってもおけず、取り敢えず拾ってしまった。

..2002/ 9/ 7(Sat)10:58


by Law

天使をお持ち帰りした俺は、眠ったままの天使の身体をカーペットの上に横たえた。

背中の羽はまだ小さい。生後3ヶ月といったところか。天使の羽の産毛は、その手のオークションでは、高値で売買されている。持ち主はそれを入手した後、用済みになったこの天使を捨てたのだろう。

しかし疲れを知らない甘栗色の髪が、雑種とは思えぬほどに美しい。観賞用としてもそこそこ価値はあるだろう。俺はもっとよく見ようと顔を覗き込んだ。

刹那、意識を取り戻した天使が華奢な痩躯をひねらせた。俺は「や、やぁ」と言った自分の声を聞く前に、顔面に強烈な肘打ちを貰い、六畳の狭い部屋にダウンを喫してしまった。

2カウントで目覚めたとき、天使は星空を背中にしていた。俺が今朝開けっ放しにしていた窓を脱出口と決めたのだろう。たしかに礼儀正しくドアから出て行くところは想像できない。

天使は窓辺に腰掛け外を見ていた。そして、迷いを断つように突然、窓からフワリと飛び立つ。

「ばかっ、ここは二階!」掴まえ損ねて二人は星を泳ぐ。

..2002/ 9/ 9(Mon)0:50


by からから@管理人

天使と一緒に二階からダイブした俺は「明日の仕事どうしよう…」と意外にも冷静に考えていた。

人間てんぱると何を考えるかわかったもんじゃない。

俺は天使の体をかき寄せ、抱きしめた。天使は体をよじり、俺の腕から逃れようとする。

「こいつめ…」

俺は一層抱きしめる腕に力を込めた。


気が付くと、俺は地面に座り込んでいた。

「何だ…?何があったんだ?」

俺の隣には天使がぐったりと横たわっていた。

どうやら俺が気を失った後、天使は俺に抱えられたまま羽を使って落下スピードを落としたようだ。

美しい天使の羽が、散った桜のように美しく散乱していた。

..2002/ 9/11(Wed)14:33


by Law

「羽が生えている・・・自己防衛本能ってやつか」

俺はさながら散り急いだ桜の花びらを思わせる薄い紅を溶かした白皙の頬に一瞥すると、無造作に拾い上げた一枚の羽を月明かりに透かしてみた。まるで鮫の歯のようだな、と無粋なことを思った。彼女の痩身を抱きかかえると、一陣の風がその場を通り過ぎた。吹き上げられた無数の羽は空高く舞い上がり、まるで還る場所を知っているかのように尾をなして、月明かりも見ずに光っていた。

再びカーペットの上に彼女を横たえた、これで二度目のお持ち帰りだ。相手が人間ならば、犯罪性は充分にある行為だ。社会に出て少しの経験と道徳的な倫理観を手にした人間なら、これをただの酔狂だと笑い飛ばすことが出来ないことは知っている。普段から洒脱している俺でさえ、なんの理由があって彼女を部屋に連れ戻したのか、それを問われるのが怖い。すべてを若さと未熟さのせいにできた十代の頃を恨めしく思った。

彼女、この天使が目を覚ましたのは、次の日の朝だった。

..2002/ 9/17(Tue)0:12


by うずまき猫

闇の奥深く、闇とはこんなに暗かったのだろうか、はじめに地面に触れここが地上であることを確かめる。そしてゆっくりと身体に触れ自らの存在を確かめる。

そうしないと自らも闇の一部となりそうだから、

ここはどこだろういつから私は此処にいるのだろう。自分には少しばかり大きな羽で体を包み、闇に散らばった記憶の断片をゆっくりと紡ぎだす。急いではいけない、ゆっくり少しずつと自らに言い聞かせ

しかし考えとは裏腹に記憶は手を離れ元の闇へと吸い込まれる。

ここに来ていったいどれだけの時間が過ぎたのだろうか1時間、1週間、もしかしたらまだ5分と過ぎていないかもしれない。

私は今まで味わったことのない恐怖を感じ身体を強張らせた。

「何をそんなに怯えている」闇は私に聞く、「ここはあなたが作り出した場所、自らが求め自らが生み出した闇。鳥のさえずり、空の青さ、生命の息吹、全てを捨て自らが創り上げた闇、怯えることは何もない。」「あなたは誰?」その言葉は発すると同時に言葉は闇へと吸い込まれる。辺りは又沈黙の中に沈む

闇はもう何も話しかけてはこない、ここは私の生み出した場所…疲れきっていた私はやがて深い眠りに誘われた。深い眠りは私を包み込むのにそれほど時間を必要としなかった。次に目を覚ますときには何かが変わっていることをただ願うしかなかった。

※闇は彼女の深層心理です。大きな羽は自己防衛本能ですねw 生まれて3ヶ月ですが話の流れが人間年齢で15前後の動きに見えたんでそうさせて頂きました。

..2002/ 9/22(Sun)4:16


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